
ゲームが危機的状況になりながらなんとか保って、
ギルドを着々と大きくしていった、約50人の仲間たちと苦楽を共にしてきた
そんな平和と友情が似合うチームに激震が走ったのは
マスターが大学一年生になった今年のことであった
マスター「大学生に俺なったんですよーw」
ギルメン「おめですw」
マスター「ってことで一つ目標を立てましたww」
ギルメン「おおーwどんなどんな?w」
マスター「このギルドを、このネトゲで一番のギルドにしたい!」
ギルメン(野々村SA表示)
マスター「いやいや私は本気ですよw
目標はリアルでも名が知れているほどの、このゲームならこのギルドって感じですww」
ギルメン( ゚д゚)
しかしマスターには力強い意思があったのである
その日こそは深夜の雑談会と言うことで、深夜テンションなのだろうと受け流した。
残念ながらオレはその日を境に仕事で一周間京都へ行くことになる
八つ橋を食べながらオレは常に思っていた
マスターは、大学生になったと言うことは、
今流行の意識高い系になったりウェウェーイ系になるのではないかと
そんなことよりもソーダ味の八つ橋が美味かった
って。な、なんだこれ……、これどういうことだよ」
マスター「あ、ちょっと組織改革に伴ってパージが発生なう」
オレ「ぱ、パージってなんだ……」
その日の俺の記憶はマスターの言った『パージ』で止まっている
マスター「やっぱり方向性が変わったからね。
ついていけなかったり、意識が低い方々は抜けていきますよ……
パージです。これは必要犠牲です。安心してください」
オレ(あ、安心しろだって……っ!?
た、たった一週間で24人も抜けたこの状況がか!?)
俺は息を潜めることにした
実際営業として働いているのだが、前日は医療関係者の元にいたと思ったら、
翌日にはホームレスに名刺を渡しに行くとかいう、なんかよく分からない時代もあった中小企業マンだ
毎日が苦悩の日々だ。
なぜこんな取引で金銭が発生し、なぜそれが需要につながっているのか理解していない
しかしこの取引を成功させなければ会社が倒産するのはわかると言う
そんな俺の一番の息抜きこそネトゲであった
キッカケは社長に「ネトゲのレベリング手伝え」と言われたのが始まりである
マスター「そう言えば俺さんの仕事ってどんなの?」
オレ「えっ?しがないサラリーです」
マスター「えーっ役職は?」
オレ「……言わなきゃダメ?」
マスター「言わなくてもいいけど、それなら僕の中で推測を立てて組織運営に努めることになる
それだと僕の中でのロジックの確立にナンチャラ(=ggったら失敗と言う意味だった言葉)
……で支障が出ちゃうのよ。ああ、居づらくなってね」
そんな話をしている最中に一人抜けてた
社会人ってことは適応能力が高いのかもしれないけど、それだとあなたのアビリティ(?)が、
最高パフォーマンスを発揮できるチャンスが失われる。
僕はそういうのは嫌だと思うんです」
ど、どいうことだ!?
前に昼間っから焼酎抱えて飲んでいる大企業の会長様よりも訳が分かんないこと言っとるぞ!?
俺は息を潜めた
オレ「……係長かなー、一応」(ゴメン本当はもう少し上なんだ
マスター「ああー、部長って目指せませんか?」
オレ( ゚д゚)ハァ?
マスター「やっぱ組織力を高めるためには人材選抜が重要だと思うのですよね
一応、立場の強要はしていないのですが、できれば優秀な人材をギルドにほしいと……
ほら、なんて言うか……」
マスター「頭の悪い奴らと居ると、頭が悪くなる言うでしょ?」
オレ(白目)
俺はメールにたまった引退した仲間たちの愚痴を確認しながらマスターに喋らせた
DQXやってるけどキッズ多いからこんなことにはならないな
なんて言うか、世の中の大半は駄目だと思うんですよ
それに組織力がたまかりきったら、一般採用もフツウにするよ
可能性も感じられたらどんな子でも拾うけどね。
おっと、決してできない人たちをバカだとは言わないよ。
それに攻めることもしない。不毛すぎる
でも組織と言う生命体に所属し、その生命体が成長したいと願う上では
劣等遺伝子は不要でしょ?
あれですよ。
心臓とか肝臓とかができていない人間は、申し訳ないけど劣っているでしょ?
今は骨と臓器を完成させる大切な期間なんだよね。
だから人材選抜にかなり注意して取り組んでいる。
僕らが骨と臓器にならなきゃ、この生命体は死んでしまうんだ。
僕は殺したくないから本気で取り組むよ?」
ちなみに俺なりの解釈でマスターの考えをまとめると。
「組織力高めたいからリアルでも能力ある人材が必要。
そしてその人達には、組織の礎を築き組織を引っ張ってってほしい」と解釈した
俺の考えは決まっていた。
息を潜めるのだぁ……
それもそうだろう、ギルド内で「四天王()」と呼ばれた6人の創設メンバー
その一人であり、副マスターと言う立場を与えられていた
まあ6人全員副マスターなのだが、四天王()の一人である。
その日は家に帰ってきてのんびりしたかったし、おみやげを駅に忘れたのでどうしようかという考えが多く
あとなんかマスターの話を聞きすぎて(腹筋が)疲れたので寝ることにした
!?
どこのゲーム?めちゃくちゃにしてあげるぉ
お得意様の奥様が待っている。煽てればポンポン会社の利益になることをしてくれる肩だ
決して八つ橋を涎で汚すまいと思いながら
昨晩のマスターのことを思っていた。
iPhoneのスカイプに連絡入る
6人いる四天王の一人、ソード使いのAだ。
A「マスターが30人ぐらい人連れてきたんだけど^q^」
オレ「は?」
俺は八つ橋を新幹線の中に落とした
俺は思った。東京駅でかえばよかったんじゃないかと
B「やばいやばい……やばいよぉ……」
オレ「幼女は最高だぜぇ!」
B「マスターが30人を連れてきたよぉ……ふぇぇん……」
Bが40歳のおっちゃんだと言うのは内緒の話だぜ!
オレ「……他の四天王()は?」
B「本当に四天王になっちゃったよ()」
オレの変な声に横にいた親子がビクッとしていた
その日は落とした八つ橋の箱を隠しながら、お得意様に届け、
タバコを吸いながらパソコンを叩くという仕事をこなすと、会社近くのネカフェに向かった
コップの中に○液を入れないでくださいと、目を疑うような張り紙がされていた事があるネカフェだ
しかし、俺は今すぐにでもネトゲをしたかった……!!
ギルドメンバー数50人。
マスター「ふぅー、今日はつかれたよ。
一応、エクセルで全員のステータスを送るから確認しておいて」
オレ「ごめん、いまネカフェなんだ」
マスター「スカイプ使えるでしょ?」
オレ「いや、さすがにめんどい」
マスター「ククク……、さすができる人は言うことは違いますねぇ」
俺はよく分からないが、30人のフレンド要請を受理しながら、息を潜めた
30〜カンスコまでのメンバーが揃っていた
驚くことに、マスターが大学に入学する前から目をつけていたor
他所のギルドから引き抜いてきたと言う逸材ばかりであった
ああ、晒しスレ常連者や、どう考えてもどんな廃人だよと言うものまで
日本語が不自由どころか、そもそも日本人じゃないヤツすらいた
マスター「ああ、この中から骨と肉になってくれる人材を抜擢するんだ」
オレ「……」
マスター「入団してくれたみんなには申し訳ないけど、
まだまだトライアル中。ついてこれないメンバーは切り捨てる
ぜひ真メンバーになれるよう頑張ってくれ」
後にこの時入団したメンバーは語る
「そういうRPだと思っていた」と。
既存メンバーは混乱していた
マスターの除いた四天王に連日のように相談が寄せられ、
相談の末辞めていくものや順応していこうと決めるもの、様々であった
マスターはこの状況を問た時にこういった
マスター「パージは終わり、今は劣等因子を排他する期間に入ったんだ
予想以上に早いけど、これを超えれば理想に近づける」
また骨と肉ができていないが、完成形に近づいていいのか?
俺はそんな意味を込めて、「くそ、早すぎたんだ」のSAを表示した
言葉遣いの荒い廃人たちが幅を利かせ、気の弱いメンバーは独自グループを形成
一部の中心人物になれるだろう人材を、四天王で抜擢し、12人体制に突入
その一人一人の管理するメンバーを定めた。
その時は何故かチームメンバーが80人になってた、てかマスターが拾ってくる逸材が多すぎた
てかメンバー整理すらしていなかった。
マスター「組織力を高めるために細分化する。ギルドの中にグループを形成するんだ
100人で力を一点に集中するのは難しいけど、10人ずつ一点に向かうのはたやすい。
一応みんなのグループは僕なりに相性が良いと思うんだ。
不満があったらトレードとチェンジをしつつ上手く切り抜いてってくれ
自分の環境すらつくれない人材はいらない」
幹部が11人になって、1グループが崩壊した。
ちょっと何言ってるのか分からない
人数差があり、最小4人〜最高で12人
と言うのも、何でかしらないけどマジで相性の良い人同士を組み合わせられていたのである
すでに1グループ崩壊したが、そんなのもすぐに補えて崩壊したグループメンバーは配分された。
俺は息を潜めた
息を潜め過ぎて苦しくなっていたが、潜め続けた
時々息を吐いてマスターに指摘などをしたが、マスターは聞く耳を持たなかった
そんな状態で先月。再び悲劇が起きた
オレ「チームイベントでもやりますか?」
マスター「いやそんな意識低いのじゃなくて……」
オレ「えっwエンジョイできていいやないですかw」
マスター「うん、今回は心を鬼にするべきなんだよ」
マスター「グループ3つを消そう。無駄を消そう。
というわけで幹部のみんな。競ってくれ」
現状あなたの謎に鋭いグループにより安定しているメンバーを何故ふるいに掛けるのか
俺は息を吸いながら思っきり色々尋ねたし、色々ぶつけた。
マスター「そういう牙を向いてくれるのは嬉しい」
最初の発言はなんか俺が望んだのと異なっていた(´・ω・`)
オレ「クエストの事なら12人じゃないんですか?」
マスター「ちがうちがう。12人で固めちゃうと、他の人が入れないでしょ。
幹部になれる逸材を見つけられなくなるでしょ。すこしでも流れを作れる環境が必要なんだよ。
8人+4人のチャレンジャーって構図。これが完璧。
8人を4人に分けて、チャレンジャーを二人ずつ監視できるっていうのもあるしね
あっ、これはフラッシュアイディア(思いつき?)だけど、
半年か4ヶ月周期で幹部の選抜も行おうか?まあそれは次回でいいか」
競技内容はマスターが一人で考えると、チームルームを後にした
オレら「( ゚д゚)……」
A・B「「潮時かな……」」
ここである問題が発生していたのをマスターは見落としていた
これ マー ジー で
あんまり俺らが反発しなかった理由なんだ。
と言うのも、マジでグループの相性良すぎるのよww笑っちゃうぐらいww
俺なんか初対面のやつ居たのに3日で打ち解けれたのよww
マスターの人間観察能力やべぇwwみたいなことを本気で言い合ったし
何より、マスター自身が言っていたけど、カワイイと思える面々なのよ
目をかけてあげたいメンバーと言うかなんというか
最近、ようやく日本語が堪能にになってきたミスターグリーン(仮名)が
「え?解散?嫌です、そんなの(´・ω・`)」と可愛く言うような状況だった
タイムアタックかな……、それともボス討伐かな……、はやりの限定エネミーじゃね?
その日、マスターはログインしなかった。
ミスター可愛すぎワロタ
※次はこちら!
『あるネトゲのメンバーだけど、ギルドが終焉しました(その2)』
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会社やサークルなども、こんな形でおかしくなっていくような気がします。自分も大学の時のサークルで、こんな感じの人に遭ったのを思い出しました。
このスレ、かなり長い為、分割してお届けしたいと思います。と言う事で、次に続きます…。
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